健康食品情報 (2017年9月11日更新)

 健康食品(いわゆるサプリメント、栄養補助食品などを含む)と呼ばれるものについては、法律上の定義は無く、広く健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの全般を指しています。そのうち、国の制度としては、国が定めた安全性や有効性に関する基準等を満たした「保健機能食品制度」があります1。「保健機能食品制度」には特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品があります。
こちらのページでは、各健康食品の情報を提供していますが、その内容はわれわれが独自に調査したもの、文献を調査したものに加えて、厚生労働省のホームページ1、「統合医療」情報発信サイト2、「健康食品」の安全性・有効性情報3に基づいたものです。さらなる詳細な情報が必要な方は、各項目のリンク及び、ページ下部リンク一覧より各情報を閲覧下さい。
尚、当講座では情報を提供することで健康食品の摂取を推奨するものではなく、副作用やエビデンス情報をわかりやすく、説明することを目的に掲載しています。健康食品を利用する際には注意事項の項目も合わせてご参照下さい。情報のご利用にあたっては個人使用目的に留めていただき、転用・複製はお断り致します。

アガリクス明日葉アスパラ亜麻仁イチョウ葉ウコン、AHCC、エゴマ、L-カルニチン、L-グルタミン、エンサイ、大麦若葉
核酸、カテキン、カプシノイド、ガルシニア、ギムネマ、キャッツクロー、グルコサミン、桑の葉、酵母ペプチド、コンドロイチン(サメ軟骨)、紅豆杉、コエンザイムQ10、コラーゲン
シソ、シトルリン、植物性ステロール、セントジョーンズワート
大豆、タヒボ、DHA/EPA
難消化性デキストリン、乳酸菌、ノコギリヤシ、ノニ
ビルベリー、フォースコリー、ブルーベリー、プロシアニジン、プロポリス、ボタンボウフウ、ハトムギ、ビール酵母
マカダミア、マルチトール、メシマコブ
や・ら・わ ライチポリフェノール、ラクトフェリン、霊芝

※各項目名から詳細へリンクしないものは、現在改訂中です。更新され次第、リンクが有効となります。また各情報は随時更新されます。更新日をご確認下さい。

アガリクス (学名:Agaricus blazei Murill)
別名:ヒメマツタケ, カワリハラタケ

原産地はブラジルのビエダーテ山脈。この地域は世界有数の長寿地帯で、生活習慣病の発生率が低く、古くから草原に自生するアガリクスを食用としていた。1965年に日本に初めて持ち込まれ、三重県在住の岩井亥之助氏が1975年に人工栽培に成功した。

アガリクスが注目された当初は、栽培方法が確立されていなかったため、非常に高価なものだったが、人工栽培も行われるようになって、食用としても健康食品素材としても広く利用され、高品質のものが安定して供給されるようになった。
非常に傷みやすいため、乾燥させたもの、粉末化したものが多く流通している1

含有成分と期待される効果 多糖類である、β(1-6)-D-グルカン、βガラクトグルカンを代表とし、アミノ酸やビタミン・ミネラル類を含むとされている。菌株や製品の製造方法により含有成分と量が異なる。
多糖類の成分がマクロファージやNK細胞などの免疫細胞を活性化することで抗腫瘍効果を発揮すると考えられている。
臨床試験 ヒトに対する検討は複数行われているものの、対象症例数が少ない、有効性がみられなかったなど、効果については十分なエビデンスではない。また海外における検討が多く、本邦で販売されているアガリクス製品が及ぼす効果を十分に検討したものではない2-9
免疫系に及ぼす影響が検討されているが、効果はなかったとの報告もある10
安全性情報
副作用
安全性を担保できる確固たるエビデンスはない。
少人数における臨床試験で重篤な副作用は見られなかったものの、症例数が少ないため、断定的なエビデンスではない。
アガリクス服用に伴うものと考えられる肝障害、劇症肝炎発症の報告が数例ある。また、摂取との因果関係を否定できない、肝機能障害、消化管症状、皮膚症状、糖尿病などを呈した症例が報告されている。
製品毎の含有成分のばらつきが多いため、安全性について一概に述べることはできない。
当講座での試験実施 なし
特定保健用食品
機能性表示食品
なし
参考文献 1. 鈴木洋. 健康食品・サプリメントの事典. 東京: 医歯薬出版株式会社; 2011.
2. Tangen JM et al.(2015) BioMed research international. 718539. PMID4312620
3. Twardowski P et al. (2015) Cancer. 121(17):2942-50. PMID25989179
4. Valadares F et al. (2013) 45(3):217-22. PMID3696289
5. Costa Fortes R et al. (2011) 26(1):176-86. PMID21519745
6. Costa Fortes R et al. (2010) 25(4):586-96. PMID20694295
7. Fortes RC et al. (2008) 23(6):591-8. PMID19132268
8. Fortes RC et al. (2009) 234(1):53-62. PMID18997106
9. Ahn WS et al. (2004) 14(4):589-94. PMID15304151
10. Lima CU et al. (2012) 75(3):336-41. PMID22010847
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[検索データベース] PubMed
[検索日] 2016年2月29日
[検索式] agaricus AND (Randomized Controlled Trial)
*検索結果から抄録及び本文を用いたスクリーニングを実施、該当するものを参考文献とした。
情報更新日:2016年3月10日

明日葉 (Angelica keiskei)

明日葉とは、セリ科シシウド属の植物であり、ビタミン、ミネラルが豊富な緑黄色野菜として知られている。日本原産の植物で、伊豆諸島などを中心に自生している植物である。生育が早く「今日摘んでも翌日には新芽が出る」ということから「明日葉」と名付けられた。原産地においては、日常的にお浸しなどにして食されており、古くから滋養強壮などの民間療法に利用されてきた1
本邦においては、様々な健康食品へと加工され機能性についての研究もさかんに行われている。

含有成分と期待される効果 豊富なビタミン、ミネラル類の他、ルテオリン配糖体、イソケルチン、Xanthoangelol及び4-hydroxyderricinの2種類のカルコンが有効成分として特徴的である2
カルコンが肝臓におけるβ酸化を促進することによる抗肥満効果(肝臓における脂肪酸のβ酸化を亢進)、アディポネクチン産生促進効果、脂質異常改善、インスリン抵抗性改善、便秘改善などの効果が期待されている3-7
臨床試験
(二重盲検比較試験)
・82名の習慣飲酒者のうち、43名の多量飲酒者において、明日葉抽出物を摂取することで、肝機能(γ-GTP)の改善が報告されている8
・50名の便秘もしくは便秘傾向者において、難消化性デキストリンを配合した明日葉を摂取することで、排便回数の有意な増加が見られた7
・69名の空腹時血糖が境界域にある被験者を対象とした検討において、明日葉粉末を摂取することで、血糖AUCの有意な低下がみられた。また、血中アディポネクチン値が摂取群で有意に増加した4
安全性情報
副作用

動物試験のみならず、ヒト試験でも安全性の検討が行われている。ただし、疾患別のデータは十分ではないため、疾患を有している場合の使用は注意が必要である。

・24名の健常人ならびに境界域糖尿病者を対象とした、明日葉青汁の過剰摂取時の安全性評価において、有害事象は報告されていない5

当講座での試験実施 「脂肪由来幹細胞スクリーニングにより抽出された高度肥満症例に対する明日葉サプリメント投与効果に関する比較パイロット試験」: UMIN000013876
高度肥満症患者から採取した脂肪由来幹細胞を用いてスクリーニングをおこない、in vitroでのアディポネクチン上昇効果が、人が摂取した場合にも確認されるかを検討しています。
特定保健用食品
特定保健用食品
 コレステロール低下効果
・明日葉青汁 キトサンのチカラ(小林製薬)
・明日葉青汁コレスリンなど他12種類(東洋新薬)
・明日葉青汁+キトサン(DHC)
・明日葉で作ったおいしい青汁(アートネイチャー)
・市川園のキトサン明日葉パワー(市川園)
・キトサン明日葉青汁(小林製薬)
・ヘルスマネージ 明日葉青汁 キトサン
 おなかの調子を整える
・明日葉青汁葉っぱのしるし
・明日葉三昧など他3種類(東洋新薬)
参考文献 1. 鈴木洋. 健康食品・サプリメントの事典. 東京: 医歯薬出版株式会社; 2011.
2. 鈴木洋. 漢方のくすりの事典. 東京: 医歯薬出版; 2011.
3. Yasueda A et al. (2013) 13(3):185-195. PMID 26005506
4. 大野木 宏ら(2007) 35(6):647-660. 医中誌ID 2007290790
5. 大野木 宏ら(2012) 9(2):83-88. 医中誌ID 2013053237
6. 大野木 宏ら(2012) 9(1):49-55. 医中誌ID 2012238937
7. 草場 宣ら (2008) 36(12):1159-1165. 医中誌ID 2009159318
8. Noh HM et al. (2015) 18(2):166-172. PMID 25531033
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[検索データベース] PubMed、医中誌
[検索日] 2016年4月14日
[検索式] PubMed: angelica keiskei AND (Randomized Controlled Trial)
医中誌:明日葉 AND 原著論文
*検索結果から抄録及び本文を用いたスクリーニングを実施、該当するものを参考文献とした。
情報更新日:2016年4月14日

アスパラガス (学名:Asparagus officinalis)

アスパラガスは南ヨーロッパを原産としたユリ科の多年草。一般に食用として茎が食されるが、薬用には根の部分が用いられる1
本邦においては、様々な健康食品へと加工され、機能性についての研究が行われている。

含有成分と期待される効果 栄養価としてはアスパラギン酸、β-カロテン、ビタミンC、B1、B2、B6、葉酸や亜鉛、穂先にはルチンが含まれる。抗酸化成分であるグルタチオンが豊富であることにも近年注目が集まっている。また根には利尿効果あることが知られ、古くから膀胱炎や腎臓結石の予防、利尿薬として用いられてきた1
サプリメントとしては、茎や根といった原料そのものが成分であることは少なく、加工・処理・混合することで製品化されているものが多い。そのため、副作用・機能性は、それぞれ製品毎に異なる。

<代表的な製品>
ETAS(アスパラガス茎熱水抽出物):アスパラガスの茎を酵素処理した、抗ストレス・睡眠の質改善サプリメント
Asparagus-P: パセリとアスパラガスが混合された利尿サプリメント(欧州で広く使用されており、ドイツの会社が製造販売している。本邦での使用はあまり見受けられない。)

臨床試験
(二重盲検比較試験)
ETAS
・20人の健康な男性に対し、ETASを150mg/日、7日間摂取させたところ、プラセボと比較し、有意にHSP70値が上昇した。また、18人の健康な男性に対して150mg/日のETASを7日間摂させ、2週間のウォッシュアウト期間後、7日間プラセボを摂取させるクロスオーバー試験を実施したところ、睡眠の質を改善し、コルチゾール値の上昇をETAS群で抑制することができた2
安全性情報
副作用
食用としての摂取量では概ね安全と考えられている。サプリメントとして大量に摂取することの安全性は確立されていない。妊娠中・授乳中の使用については、ホルモンバランスへの影響が否定できない。また、ユリ科の植物に敏感なヒトにおいて、アレルギー反応が出ることがある3
炎症の強い腎疾患に罹患している人は、根を使用した食品や薬品は禁忌4
<製品毎の安全性検討>
ETAS:
動物及びヒトにおける安全性検討試験が実施されている5
・被験者5名に対する、推奨量の10倍量 (1500mg/日)、28日間投与による安全性評価において副作用は認められていない(非公開試験)
・当講座において、安全性の臨床試験を実施している(以下の項目参照)。
当講座での試験実施 「アスパラガス茎熱水抽出物(ETAS)の第Ⅰ,Ⅱ相試験臨床試験」: UMIN000016582
ETASを健康な男女55名に28日間摂取させ、安全性と有効性について検討した。
特定保健用食品 なし
参考文献 1. 鈴木洋. 健康食品・サプリメントの事典. 東京: 医歯薬出版株式会社; 2011.
2. Ito T et al. (2014): 60(4): 283-290. PMID 25297618
3. 日本医師会ら. 健康食品・サプリメント「成分」のすべて : ナチュラルメディシン・データベース. 東京: 日本健康食品・サプリメント情報センター
4. 国立健康・栄養研究所. 「健康食品」の安全性・有効性情報.
5. Ito T et al. (2014) : 68(2):240-249. PMID 24389363
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[検索データベース] PubMed、医中誌
[検索日] 2016年6月28日
[検索式] PubMed: Asparagus AND (Randomized Controlled Trial)
医中誌:Asparagus (アスパラガス) AND 原著論文
*検索結果から抄録及び本文を用いたスクリーニングを実施、該当するものを参考文献とした。
情報更新日:2017年5月23日

亜麻仁 (学名:Flax: Linum usitatissimum)

中央アジアを原産とするアマ科のアマの種子。アマの茎部分の繊維はリネンとして古くから用いられてきた(別品種)。種子は主にアマニ油という乾性油が採られる。欧米では日常的にアマニ油が用いられているが、日本では近年の健康ブームにより、広く知られるようになった。最近ではアマニ種子(フラックスシード)そのものに含まれる機能性にも着目され、種子そのものを食べる製品も販売されている1,2

含有成分と期待される効果 植物性油には珍しくn-3系多価不飽和脂肪酸であるα-リノレン酸を多く含有している。このことから、α-リノレン酸の機能として、抗炎症、脳血管疾患の予防などに効果的であると考えられている。またアマニ種子(フラックッシード)には亜麻リグナン(SDG)と呼ばれる成分が含まれ、強力な抗酸化作用を有することが知られている。
また、同成分は腸内細菌によって代謝されることによりエストロゲン様作用を有することが注目を集めており、更年期障害改善、動脈硬化や骨粗鬆症予防、ホルモン感受性がん及び疾患の予防などに寄与することを期待されている。さらに食物繊維が豊富に含まれることなどから緩下作用を有することも知られている1
臨床試験
(二重盲検比較試験)
多くの二重盲検比較試験が実施されているため、比較的最近報告された試験を下記に示す。

・15名の男性に対し、10gのアマニ油もしくはコーン油を12週間夕食と共に摂取させるクロスオーバー試験を行ったところ、血清LDLコレステロール値を有意に低下させた3
・日常的にオリーブオイルを摂取している37名の正常体重の健康な成人に対し、15mlのアマニ油もしくはオリーブ油を12週間摂取させるクロスオーバー試験を行ったところ、血中の炎症、血糖、脂質、アディポネクチンなどの各項目に有意な変化はなかった4
・抹消動脈血管疾患を有する患者(75%は高血圧)110名に対し、粉砕されたアマニ種子もしくは、小麦やふすま、食物油から成るコントロール食を30g/日、6か月間摂取させた。結果、アマニ群で血圧の有意な低下が認められた5

安全性情報
副作用
アマニ種子には微量の青酸配糖体が含まれるため、過剰摂取は避ける方がよい。またアマニ油は酸化されやすいため、加熱調理を避け、保存方法にも注意することが望ましい1
また、食物繊維を多く含有することに起因し、腹痛・便秘・下痢などといった消化管副作用を起こす可能性がある。大量の水分と共に摂取することが望ましい。一緒に摂取することで他の内服薬やサプリメントの効果を減弱させる可能性を否定できない。時間をあけて摂取することが望ましい6
妊娠・授乳中:女性ホルモン用作用を有することから望ましくない。
出血性疾患:血液凝固抑制作用を有することから使用しない。
糖尿病:血糖値を下げる作用があるため、医薬品との相互作用で低血糖が懸念される。
消化管疾患:閉塞、狭窄、炎症がある場合は使用しない。
ホルモン感受性がんおよび疾患:詳細については検討中であるものの、エストロゲン様作用を有することから過度の使用は控える。その他、血清トリグリセリド値が非常に高い場合は、使用を控える。
7
当講座での試験実施 なし
特定保健用食品 なし
機能性表示食品 αリノレン酸を関与成分とする
血圧が高めの方に適した機能を持つ
アマニ油入りごまドレッシング(キューピー)
キユーピーアマニ油マヨネーズ(キューピー)
日清健康オイル アマニプラス(日清オイリオ)
血中総コレステロール値や悪玉(LDL)コレステロール値を低下させる
アマニオイル(日本製粉)
参考文献 1. 鈴木洋. 健康食品・サプリメントの事典. 東京: 医歯薬出版株式会社; 2011.
2. 鈴木洋. 漢方のくすりの事典. Vol 2. 東京: 医歯薬出版; 2011.
3. Kawakami Y (2015):14 (39). PMID 25896182
4. Kontogianni MD (2013) : 62(5) 686-693. PMID 23347535
5. Caligiuri SP (2014):64(1) 53-59 PMID 24777981.s
6. 厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』. 「統合医療」情報発信サイト.
7. 日本医師会ら. 健康食品・サプリメント「成分」のすべて : ナチュラルメディシン・データベース.  東京: 日本健康食品・サプリメント情報センター, 同文書院 (発売); 2011.
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[検索データベース] PubMed、医中誌
[検索日] 2016年6月28日
[検索式] PubMed: Flaxseed AND (Randomized Controlled Trial)
医中誌:アマニ AND 原著論文
*検索結果から抄録及び本文を用いたスクリーニングを実施、該当するものを参考文献とした。
情報更新日:2017年5月23日

イチョウ葉 (Ginkgo) (学名:Ginkgo Biloba)

中国原産のイチョウ科の落葉高木、イチョウの葉から作られる。何千年もの間、医療に用いられてきた1。ドイツやフランスでは医薬品扱いで、めまい、耳鳴り、頭痛、末梢血管障害を伴う肩こりなどといった疾患の治療に用いられているが、これらはEGb761と称される成分が規格化されたものが使用されている。ヨーロッパなど30か国以上で使用されているものの、日本やアメリカにおいては未だ健康食品扱いであり、イチョウ葉エキスの粉砕やそれらを用いた茶などに同様の効果が期待できる保証はない。尚、種子(胚乳)は漢方では白果(はくか)と呼ばれ、薬効はイチョウ葉エキスとは異なる2,3

含有成分と期待される効果 血流改善により、脳内に血液を多く供給することで、神経細胞の壊死、脳梗塞などの予防・改善に効果があるとされている。有効成分はフラボノイド、テルペンラクトンなど。認知症、不安感、統合失調症などといった疾患の、脳への血流が不十分であることが考えられる症状に対して、有効性を支持するエビデンスがある一方で、有効性を支持しないエビデンスも存在する1
臨床試験
(二重盲検比較試験)
多くの二重盲検比較試験が実施されているため、詳しい情報は国立栄養研究所が情報提供されている「健康食品」の安全性・有効性情報内、イチョウ葉エキス、有効性の項をご参照下さい。
安全性情報
副作用
精製されていないエキスはギンコール酸を含有し、アレルギー反応を引き起こす可能性があるため、日本健康・栄養食品協会がギンコール酸濃度を5ppm以下にするよう規格基準を設けている4
<薬物相互作用>
ベンゾジアゼピン系抗不安薬、スタチン系脂質異常症治療薬、サイアザイド利尿薬系降圧薬、非ステロイド抗炎症薬などといった様々な薬との相互作用があるため、薬と併用する場合には医師や薬剤師などの専門家に相談することが望ましい。
血流改善に働くため、血液凝固障害、抗凝固剤を使用している場合は使用を控えるべきである。また、外科手術、歯科治療前は注意が必要である。
妊娠・授乳中:早産や分娩時の過剰出血を引き起こす恐れがあり、安全ではない。
出血性疾患:症状を悪化させる恐れがあるため使用しない。
糖尿病:血糖値の観察を必ず行う。
痙攣発作:痙攣を引き起こす恐れがある。
アレルギー:ツタウルシ、有毒オーク、ドクウルシ、マンゴーの皮などにアレルギーのある場合は深刻な皮膚炎や粘膜刺激を引き起こす恐れがあり、使用は望ましくない1
当講座での試験実施 なし
特定保健用食品 なし
機能性表示食品 33商品(28社)より販売(2017年7月5日現在、イチョウ葉由来エキスを含有する商品も含む)
届出商品多数のため、商品名は掲載しない。
詳細は消費者庁、機能性食品の届出情報検索にて検索できる。
参考文献 1. 日本医師会, 日本薬剤師会, 日本歯科医師会, et al. 健康食品・サプリメント「成分」のすべて : ナチュラルメディシン・データベース. [東京] 日本健康食品・サプリメント情報センター 同文書院 (発売); 2011.
2. 鈴木洋. 健康食品・サプリメントの事典. Vol 1. 東京: 医歯薬出版株式会社; 2011.
3. 鈴木洋. 漢方のくすりの事典. Vol 2. 東京: 医歯薬出版; 2011.
4. 吉川 敏一, 辻 智子. 医療従事者のための「完全版」機能性食品 (サプリメント) ガイド. 講談社; 2004.
情報更新日:2017年7月5日

ウコン

健康食品として知られるウコンは熱帯アジア原産のショウガ科の多年草ウコンの根茎を用いる。日本では主に沖縄県や九州南部で生産される。現在流通している健康食品のウコンには、秋ウコン、春ウコン、紫ウコンの3種類がある。日本と中国では生薬名、植物名が錯綜しているため注意が必要であるが、日本での代表的な定義を以下に示す。

秋ウコン(Curcuma longa): 香辛料ターメリックの原料であり、健康食品としての利用頻度も高い。クルクミンが豊富で春ウコンの10倍量含有する。

春ウコン(Curcuma aromatica, キョウオウ): 強い苦みと辛みを特徴とし、香辛料としては用いられない。ターメロンやシネオールなどの精油成分が秋ウコンと比べて多いのが特徴。クルクメンを含有する。

紫ウコン(Curcuma zedoaria, ガジュツ): クルクミンを含有しない。1,2

含有成分と期待される効果

主要成分であるクルクミンが、胃腸疾患、関節痛、体力低下時などに古来より生薬として用いられてきた。主要成分であるクルクミンが抗炎症、抗酸化、神経保護、抗がん作用があるとされている。クルクミンに由来する抗炎症効果から、炎症に関連する疾患に有効であるとされている。また、ピロリ菌感染、高コレステロール血症などに対する有効性も予備的検討ではあるものの報告されている。

腸管疾患の場合には浣腸剤として用いられることもある3

臨床試験
(二重盲検比較試験)

複数の臨床試験が実施されているため、ここでは比較的新しい者と興味関心が高い分野の結果を示す。その他疾患別の臨床試験詳細については国立栄養研究所が情報提供されている「健康食品」の安全性・有効性情報内、ウコン 、有効性の項をご参照下さい。

・58名の健康被験者においてウコンとクルクミン熱水抽出物を併用することが肝機能と心理的状態へ及ぼす影響を調査した二重盲検比較試験の結果によると、肝機能への群間有意差は観察されなかった。ただし、体重が維持でき、肝機能が正常範囲を保った被験者においては、正常範囲内の推移であるものの一部肝機能の低下が見られ、心理的状態の改善が見られた4

・16名と少人数ではあるものの、お酒があまり強くない健康な男性に0.5g/体重kgあたりのアルコール負荷を行い、摂取後、秋ウコンから抽出されたクルクミンの成分を含有する清涼飲料水もしくは同成分を含有しないプラセボを用いた二重盲検比較試験の結果より、血中エタノール、血中アセトアルデヒドの上昇が抑制され、頭痛などの症状も緩和された5

・イランにおける研究で、2型糖尿病を有する被験者118名にクルクミノイドに吸収促進剤のピペリンを負荷した被験食品もしくはプラセボを摂取させる二重盲検比較試験を実施したところ、アテローム形成性脂質指数である非HDL値とリポたんぱくAの値がクルクミノイド摂取群で有意に下がり、2型糖尿病患者における心血管疾患イベントのリスク低減に有効である可能性が示唆された4

安全性情報
副作用

短期間の経口摂取においては安全性に問題はないものの、皮膚などへのアレルギー症状が出る場合がある。症例報告レベルではあるものの春ウコンによるアナフィラキシーショックの症例も報告されているためウコンのアレルギーを有する場合は注意が必要である6。また長期間の多量摂取(3000mg以上/日)による健康被害の報告があり、因果関係は不明であるものの注意が必要である。

胆のう疾患:胆石、胆管障害の場合は症状が悪化する可能性があるため使用しない。

胃腸疾患:ウコンの摂取により胸やけを引き起こす場合があるため胃食道逆流症の症状が悪化する可能性があるため使用しない。

糖尿病:血糖値を下げる作用があるため、医薬品および血糖低下作用のある機能性食品との相互作用で低血糖が懸念される。

抗凝固薬:血液凝固抑制作用を有することから、医薬品および血液凝固抑制効果のある機能性食品との相互作用で紫斑や出血の可能性を高める。

妊娠・授乳中:薬用量の摂取は、女性ホルモン用作用を有することから望ましくない。ただし、通常食べ物に含まれる量を経口摂取する分には安全と考えられている。

その他、抗腫瘍薬、エストロゲン製剤、肝臓で代謝される医薬品、免疫調節薬などの医薬品で相互作用がある可能性がある。医薬品および健康食品を併用して服用、摂取する際は、薬剤師、管理栄養士に相談することが望ましい3

当講座での試験実施

「メタボリックシンドローム患者を対象にした脂肪幹細胞を用いたアディポネクチン分泌促進薬のスクリーニング」: UMIN000026948
高度肥満症患者から採取した脂肪由来幹細胞を分化・培養し、食品由来サンプルを添加することで、アディポネクチン上昇が観察できるかを確認しています。このサンプルのひとつとしてウコンを添加しています。

過去に実施した試験
2014年~2015年、千里駅前クリニックと共同で沖縄食材のアディポネクチン分泌促進効果を確認する目的で、肥満患者72名にウコンもしくはボタンボウフウを摂取頂きました7
結果:医中誌2017044516

特定保健用食品 なし
機能性表示食品

クルクミンを関与成分とする
 高めの肝酵素数値の低下
・肝臓の健康にセラクルミン(セラバリューズ)

参考文献 1. 鈴木洋. 健康食品・サプリメントの事典. Vol 1. 東京: 医歯薬出版株式会社; 2011.
2. 鈴木洋. 漢方のくすりの事典. Vol 2. 東京: 医歯薬出版; 2011.
3. 日本医師会, 日本薬剤師会, 日本歯科医師会, et al. 健康食品・サプリメント「成分」のすべて : ナチュラルメディシン・データベース.
4. Kawasaki K et al.(2016). 薬理と治療. (医中誌ID: 2017000432)
5. 浜野 拓ら他(2007) 応用薬理. (医中誌ID: 2007236632)
6. 原田 晋ら他 (2016) アレルギー. (医中誌ID: 2016365842)
7. 前田 和久ら他(2016) 日本統合医療学会誌. 2016;9(2):188-192.
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[検索データベース] PubMed、医中誌
[検索日] 2017年9月11日
[検索式] PubMed: curcumin AND (Randomized Controlled Trial)
医中誌:クルクミン or ウコン AND 原著論文
*検索結果から抄録及び本文を用いたスクリーニングを実施、該当するものを参考文献とした。
情報更新日:2017年9月11日

<リンク一覧>

  1. 厚生労働省. 「健康食品」のホームページ.
  2. 厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業」. 「統合医療」情報発信サイト.
  3. 国立健康・栄養研究所. 「健康食品」の安全性・有効性情報.