健康食品情報 (2016年3月10日更新)

 健康食品(いわゆるサプリメント、栄養補助食品などを含む)と呼ばれるものについては、法律上の定義は無く、広く健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの全般を指しています。そのうち、国の制度としては、国が定めた安全性や有効性に関する基準等を満たした「保健機能食品制度」があります1。「保健機能食品制度」には特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品があります。
こちらのページでは、各健康食品の情報を提供していますが、その内容はわれわれが独自に調査したもの、文献を調査したものに加えて、厚生労働省のホームページ1、「統合医療」情報発信サイト2、「健康食品」の安全性・有効性情報3に基づいたものです。さらなる詳細な情報が必要な方は、各項目のリンク及び、ページ下部リンク一覧より各情報を閲覧下さい。
尚、当講座では情報を提供することで健康食品の摂取を推奨するものではなく、副作用やエビデンス情報をわかりやすく、説明することを目的に掲載しています。健康食品を利用する際には注意事項の項目も合わせてご参照下さい。情報のご利用にあたっては個人使用目的に留めていただき、転用・複製はお断り致します。

アガリクス、明日葉、アスパラ、亜麻仁、イチョウ葉、ウコン、AHCC、エゴマ、L-カルニチン、L-グルタミン、エンサイ、大麦若葉
核酸、カテキン、カプシノイド、ガルシニア、ギムネマ、キャッツクロー、グルコサミン、桑の葉、酵母ペプチド、コンドロイチン(サメ軟骨)、紅豆杉、コエンザイムQ10、コラーゲン
シソ、シトルリン、植物性ステロール、セントジョーンズワート
大豆、タヒボ、DHA/EPA
難消化性デキストリン、乳酸菌、ノコギリヤシ、ノニ
ビルベリー、フォースコリー、ブルーベリー、プロシアニジン、プロポリス、ボタンボウフウ、ハトムギ、ビール酵母
マカダミア、マルチトール、メシマコブ
や・ら・わ ライチポリフェノール、ラクトフェリン、霊芝

※各項目名から詳細へリンクしないものは、現在改訂中です。更新され次第、リンクが有効となります。また各情報は随時更新されます。更新日をご確認下さい。

アガリクス (学名:Agaricus blazei Murill)
別名:ヒメマツタケ, カワリハラタケ

原産地はブラジルのビエダーテ山脈。この地域は世界有数の長寿地帯で、生活習慣病の発生率が低く、古くから草原に自生するアガリクスを食用としていた。1965年に日本に初めて持ち込まれ、三重県在住の岩井亥之助氏が1975年に人工栽培に成功した。

アガリクスが注目された当初は、栽培方法が確立されていなかったため、非常に高価なものだったが、人工栽培も行われるようになって、食用としても健康食品素材としても広く利用され、高品質のものが安定して供給されるようになった。
非常に傷みやすいため、乾燥させたもの、粉末化したものが多く流通している1

含有成分と期待される効果 多糖類である、β(1-6)-D-グルカン、βガラクトグルカンを代表とし、アミノ酸やビタミン・ミネラル類を含むとされている。菌株や製品の製造方法により含有成分と量が異なる。
多糖類の成分がマクロファージやNK細胞などの免疫細胞を活性化することで抗腫瘍効果を発揮すると考えられている。
臨床試験 ヒトに対する検討は複数行われているものの、対象症例数が少ない、有効性がみられなかったなど、効果については十分なエビデンスではない。また海外における検討が多く、本邦で販売されているアガリクス製品が及ぼす効果を十分に検討したものではない2-9
免疫系に及ぼす影響が検討されているが、効果はなかったとの報告もある10
安全性情報
副作用
安全性を担保できる確固たるエビデンスはない。
少人数における臨床試験で重篤な副作用は見られなかったものの、症例数が少ないため、断定的なエビデンスではない。
アガリクス服用に伴うものと考えられる肝障害、劇症肝炎発症の報告が数例ある。また、摂取との因果関係を否定できない、肝機能障害、消化管症状、皮膚症状、糖尿病などを呈した症例が報告されている。
製品毎の含有成分のばらつきが多いため、安全性について一概に述べることはできない。
当講座での試験実施 なし
特定保健用食品
機能性表示食品
なし
参考文献 1. 鈴木洋. 健康食品・サプリメントの事典. 東京: 医歯薬出版株式会社; 2011.
2. Tangen JM et al.(2015) BioMed research international. 718539. PMID4312620
3. Twardowski P et al. (2015) Cancer. 121(17):2942-50. PMID25989179
4. Valadares F et al. (2013) 45(3):217-22. PMID3696289
5. Costa Fortes R et al. (2011) 26(1):176-86. PMID21519745
6. Costa Fortes R et al. (2010) 25(4):586-96. PMID20694295
7. Fortes RC et al. (2008) 23(6):591-8. PMID19132268
8. Fortes RC et al. (2009) 234(1):53-62. PMID18997106
9. Ahn WS et al. (2004) 14(4):589-94. PMID15304151
10. Lima CU et al. (2012) 75(3):336-41. PMID22010847
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[検索データベース] PubMed
[検索日] 2016年2月29日
[検索式] agaricus AND (Randomized Controlled Trial)
*検索結果から抄録及び本文を用いたスクリーニングを実施、該当するものを参考文献とした。
情報更新日:2016年3月10日

明日葉 (Angelica keiskei)

明日葉とは、セリ科シシウド属の植物であり、ビタミン、ミネラルが豊富な緑黄色野菜として知られている。日本原産の植物で、伊豆諸島などを中心に自生している植物である。生育が早く「今日摘んでも翌日には新芽が出る」ということから「明日葉」と名付けられた。原産地においては、日常的にお浸しなどにして食されており、古くから滋養強壮などの民間療法に利用されてきた1
本邦においては、様々な健康食品へと加工され機能性についての研究もさかんに行われている。

含有成分と期待される効果 豊富なビタミン、ミネラル類の他、ルテオリン配糖体、イソケルチン、Xanthoangelol及び4-hydroxyderricinの2種類のカルコンが有効成分として特徴的である2
カルコンが肝臓におけるβ酸化を促進することによる抗肥満効果(肝臓における脂肪酸のβ酸化を亢進)、アディポネクチン産生促進効果、脂質異常改善、インスリン抵抗性改善、便秘改善などの効果が期待されている3-7
臨床試験
(二重盲検比較試験)
・82名の習慣飲酒者のうち、43名の多量飲酒者において、明日葉抽出物を摂取することで、肝機能(γ-GTP)の改善が報告されている8
・50名の便秘もしくは便秘傾向者において、難消化性デキストリンを配合した明日葉を摂取することで、排便回数の有意な増加が見られた7
・69名の空腹時血糖が境界域にある被験者を対象とした検討において、明日葉粉末を摂取することで、血糖AUCの有意な低下がみられた。また、血中アディポネクチン値が摂取群で有意に増加した4
安全性情報
副作用

動物試験のみならず、ヒト試験でも安全性の検討が行われている。ただし、疾患別のデータは十分ではないため、疾患を有している場合の使用は注意が必要である。

・24名の健常人ならびに境界域糖尿病者を対象とした、明日葉青汁の過剰摂取時の安全性評価において、有害事象は報告されていない5

当講座での試験実施 「脂肪由来幹細胞スクリーニングにより抽出された高度肥満症例に対する明日葉サプリメント投与効果に関する比較パイロット試験」: UMIN000013876
高度肥満症患者から採取した脂肪由来幹細胞を用いてスクリーニングをおこない、in vitroでのアディポネクチン上昇効果が、人が摂取した場合にも確認されるかを検討しています。
特定保健用食品
特定保健用食品
 コレステロール低下効果
・明日葉青汁 キトサンのチカラ(小林製薬)
・明日葉青汁コレスリンなど他12種類(東洋新薬)
・明日葉青汁+キトサン(DHC)
・明日葉で作ったおいしい青汁(アートネイチャー)
・市川園のキトサン明日葉パワー(市川園)
・キトサン明日葉青汁(小林製薬)
・ヘルスマネージ 明日葉青汁 キトサン
 おなかの調子を整える
・明日葉青汁葉っぱのしるし
・明日葉三昧など他3種類(東洋新薬)
参考文献 1. 鈴木洋. 健康食品・サプリメントの事典. 東京: 医歯薬出版株式会社; 2011.
2. 鈴木洋. 漢方のくすりの事典. 東京: 医歯薬出版; 2011.
3. Yasueda A et al. (2013) 13(3):185-195. PMID 26005506
4. 大野木 宏ら(2007) 35(6):647-660. 医中誌ID 2007290790
5. 大野木 宏ら(2012) 9(2):83-88. 医中誌ID 2013053237
6. 大野木 宏ら(2012) 9(1):49-55. 医中誌ID 2012238937
7. 草場 宣ら (2008) 36(12):1159-1165. 医中誌ID 2009159318
8. Noh HM et al. (2015) 18(2):166-172. PMID 25531033
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[検索データベース] PubMed、医中誌
[検索日] 2016年4月14日
[検索式] PubMed: angelica keiskei AND (Randomized Controlled Trial)
医中誌:明日葉 AND 原著論文
*検索結果から抄録及び本文を用いたスクリーニングを実施、該当するものを参考文献とした。
情報更新日:2016年4月14日

<リンク一覧>

  1. 厚生労働省. 「健康食品」のホームページ.
  2. 厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業」. 「統合医療」情報発信サイト.
  3. 国立健康・栄養研究所. 「健康食品」の安全性・有効性情報.