補完代替医療の国内外の現況

米国では、ハーバード大学が一般成人を対象にして、CAMの利用に関する調査を行ない、1990年に発表しました。それによりますと、実に6,000万人(33.8%)の方々が何らかのCAMを利用していることがわかりました。そこで、米国政府は、日本の厚生労働省に当たるNIH (米国国立衛生研究所) に代替医療事務局 (OAM: Office of Alternative Medicine) をつくり、調査を命じました。予算は年200万ドルでした。

さらに、1997年での再調査では、CAMの利用者が8,300万人(42.1%)と増加していることに注目して、政府は1998年、OAMをNCCAM(National Center for CAM)に昇格させ、予算は10倍の年2000万ドルとしました。2005年にはその予算が年1億2,110万ドルと約100億円以上を投じていることになります。この殆どが、ヒトを対象とした臨床研究です。どうして、このような工学の研究費を投じているかについては、こうした医療が将来の医療費削減につながるのではないかと考えられるからです。

また、2001年から2005年までの5ヶ年の戦略計画では、CAMと通常の医療とを包括した「統合医療」の推進を謳っています。

NCCAM(メリーランド州ベセスダ)

本邦では、こうした背景を受けて、2001年に厚生労働省がん研究助成金による研究班(「我が国におけるがん代替療法に関する研究」班)が組織され、兵頭らががん患者3,461人(がんセンター16施設、ホスピス40施設)を対象として、CAMに関する実態調査を実施しました。その結果、やはりCAMの利用率は44.6%と高率だったのです。

同研究班は2006年4月、患者向けの“がんの補完代替医療ガイドブック(第1版)”を作成しました。このガイドブックは、本邦におけるCAMに関して医学論文を中心とした検証がなされています。その結果、大半が根拠の低いものでしが、実際の所、きっちりとした検証(臨床試験)が行われていないことも判明しました。最近、同研究班を引き継いだ住吉班で改訂第2版が2008年7月に刊行されています。(ダウンロードはこちらから)